漢方診療と現代西洋医学の診療とは、非常にかけ離れているように思われますが、両者をうまく組み合わせることによって、医療の効果を増すことができると考えます。現代西洋医学は多くの病気を克服してきましたが、まだまだ十分な治療ができない部分が多く残されています。漢方医学ですべての病気が治せるとは思っていませんが、西洋医学で治療が困難な病状を漢方薬で軽快させることは多くあります。
現代西洋医学で診断治療が確立されている疾患は、西洋医学で治療し、うまく治ればそれでよいと思います。
漢方医学でも診断治療が確立されている疾患は、実は大変多く存在します。患者さんを診察して説明し、納得してもらえれば、漢方治療を勧めます。
しかし、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患、機能性胃腸障害、更年期障害、そのほか西洋医学的に正確な診断がつかない不定愁訴などは、治療が困難な場合が多く、漢方治療が非常に有効であったり、両者を組み合わせて治療すると、意外とうまくいくことがあるのです。
ただ、治療のむずかしい病気は、時間がかかります。あせらず、辛抱強く治療を続けることが重要です。
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